富士球場

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1998年9月13日、東海道本線の吉原駅に着いた私は岳南鉄道に乗り換えた。この小私鉄は元・井の頭線の車両を払い下げて使っている。自宅の近所で見慣れた車両に、こんなところで再会するのもなんか妙な気分である。

そして午前11時に吉原本町駅で下車。駅からさらに10分ほど歩いて、「吉原中央駅」というバスナーミナルへ行く。バスターミナルなのに何故か「駅」という名が付いていた。

目的のバスの時刻まで30分くらいあったので、バスターミナルの近くでチーズバーガーを食う。

そして11時40分発の富士急静岡バス「富士急大渕団地」行に10分くらい乗って、「三ツ倉総合グラウンド入口」で下車。バス停からさらに10分くらい歩いて、ちょうど正午頃に富士球場に到着した。交通の便はあまり良くない球場である。

球場正面には植木で大きく「富士球場」という字が形造られているのが面白い。今日のゲームは横浜−ヤクルト・二軍戦。入場料は1800円。入場する前に球場の周りをぐるっと歩いてみた。

すると一塁側の球場の外にテント張りの選手更衣室があり、その前で横浜・遠藤コーチが本を読んでいた。何を読んでるのか近づいて見てみると、マンガ「代紋(エンブレム)TAKE2」であった。

さて、スタンドへ入る。内野席はすべて長椅子。しかもかなり長い。そしてネット裏部分は8段しかなく、多いところでも15段くらいであった。外野は芝生席。収容人員は13400人。そして両翼は91.3m、中堅115mとかなり狭い球場である。

照明は無し。スコアボードは得点表示部分とチーム名、ポジション表示が磁気反転式で、選手名・審判名は手書き。開設は1976年3月。1992年と1995年には横浜のオープン戦も開催されたことがある。

一塁側スタンドからも横浜の選手更衣室の出入り口が覗き込めた。試合前のセレモニーが始まる時に、川崎が西沢に、「煙草吸ってるんじゃねぇよ」とか「梨食ってるんじゃねぇよ」とか言って、からかっていた。なお、セレモニーは両軍監督と地元・富士宮市出身の斉藤肇に花束贈呈と始球式であった。

横浜・田中敏、ヤクルト・宮出の先発で午後1時試合開始。1回表ヤクルトは3番佐藤真の右中間二塁打で1点を先制。しかしその裏、横浜は4番新井がライトスタンドへ逆転2ランを打ち込んだ。そして3回裏には2番大野のショートゴロを三木がエラーをしてさらに1点が入り3−1となった。

そして試合はこのまま9回表を迎えた。横浜の投手は斉藤肇を挟んで8回から細見に変わっている。1死1、2塁から7番津川が左中間に二塁打を放ち1点が入るが、同点のランナーとなる1塁ランナーの三木がホームでタッチアウト。2死となった。

しかし8番宇佐美が四球の時に細見が暴投。このプレーで2塁ランナーが一気にホームインして同点となった。さらに続く9番城がセンターオーバーの二塁打で、ついにヤクルトが土壇場で逆転した。

9回裏横浜は1死2,3塁のサヨナラのチャンスを作るが、ここでヤクルトは高木から同じ左の加藤にスイッチ。2者を抑えて4時ちょうどに試合終了となった。

さて、本日の観客は数百人。外野席には「平塚爆星会」と書いたハッピを着た応援団が3人ほどいた。また、横浜の二軍戦で良く見掛けるじいさんも来ていた。わざわざ富士まで来るなんてなかなか元気なじいさんだ。

帰りは、バス停に行くと運良くすぐバスがやって来た。吉原中央駅まで行き、バスを乗り換えて東海道本線・富士駅へ4時50分頃到着した。市の中心駅までの直通バス便が無いなんて、やっぱ不便な球場だ。

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