県立彦根球場
2000年３月24日、宿泊先の「カプセルイン大阪」を出て大阪駅へ。９時30分発の新快速・長浜行に乗り、10時45分彦根へ到着。すると同じ列車から、タイガース応援団と思しき人達も降り立った。本日は彦根球場で阪神−ダイエーのオープン戦が行なわれる予定なのである。
今回の筆者の「関西遠征」は、実はこの彦根球場での試合がメインであった。と言うのは、滋賀県でプロ野球が行なわれるのは非常に稀なため、「全47都道府県でのプロ野球観戦をライフワーク」（笑）としている筆者にとっては、是非とも観ておきたい試合だったのである（ちなみにこの時点で未制覇県は、三重・奈良・滋賀・島根・徳島・宮崎の６県）。
しかし空は生憎の小雨。非常に微妙な天気である。とりあえず彦根の町の案内図を求めるべく駅構内の観光案内所に入る。すると「本日のプロ野球はグラウンドコンデション不良のため中止です」という係員の声が漏れ聞こえた。う〜ん、無念。今度滋賀県でプロ野球が行なわれるのはいつになるんだろう。
せっかくここまで来たのだから、そのまま帰ってしまうのもなんなので、中止とわかっていながらも彦根球場へ向かうことにした。駅から徒歩15分ほどで球場に到着。球場には中止を知らずにやって来るファンが結構来ていた。
球場前には「阪神vsダイエーは、天候不順の為中止といたします。」という看板が立っていた。この看板は急遽作ったものではなく、事前から中止になった場合を想定して用意してあったものらしく、しっかりした作りであった。
中止を告げる看板
幸いに場内へ入る入口が開いていたので、中へ入ってみた。スタンドには「せめて弁当でも食べていこう」と言って弁当を食っているおっさんがいた。
県立彦根球場は滋賀県立彦根総合運動場内に位置し、陸上競技場、庭球場、各種プール、多目的広場、スポーツ会館などが併設されている。球場の開設は1939年だが、1992年８月31日に改築されている。
グラウンドは両翼99ｍ、中堅122ｍ。バックネット前からベンチ前にかけては人工芝が敷かれている。照明塔は６基、スコアボードは時期反転式である。観客席は、ネット裏が背もたれ付、内野席は長椅子、外野は芝生席。ネット裏には屋根があった。
球場内
内野スタンドを欠け取った場所に１人分のブルペンがあり、スタンド下にも２人分のブルペンがあった。そして一塁側スタンド越しには彦根城が望めた。
球場から見える彦根城
球場ロビーには「日本プロ野球名球会彦根球場来場記念（平成５年９月12日）」の寄せ書きや、「滋賀県スポーツ振興事業団理事長杯争奪小学生軟式野球大会」、「全国高等学校野球選手権大会滋賀大会開会式」などの写真が飾ってあった。
名球会の寄せ書き
記念に球場事務所でパンフレットを貰った。それによると収容人員は内野6000人、外野4000人の計10000人。建築面積は約5270平方メートル、延床面積は約10124平方メートル、球場総面積は33390平方メートルだそうである。
さて、球場を出たあとちょっと近隣を散策。球場隣にある「金亀公園」に行ってみた。金亀公園は公有水面６haを埋め立てて市民の休息、遊戯、運動等総合的な利用に供する公園として1958年に都市計画決定し、1968年より13年余の歳月を費やし彦根市が整備した都市公園とのこと。
公園内には金亀球場という球場があった。両翼82ｍ、中堅98ｍ。草野球用だろうが、４基の照明塔やわずかながら観客席もあった。ネット裏は屋根付きで椅子はなんとソファー。そこには試合開始時に鳴らすサイレン（手回し式）があった。サイレンにはイタズラ防止のための錠がかけられていた。
金亀球場
そのあと彦根城にも入ってみようかと思ったが、入場料（500円）がかかるのでやめた。しかし重要文化財の「馬屋」は無料だったので入る。
そして彦根駅に戻る。彦根駅には私鉄の近江鉄道が乗入れているが、車両には「レオマーク」の描かれていた。そして駅の構内には西武ライオンズのポスターが貼られていた。
それもそのはず、近江鉄道は西武鉄道系の企業なのである。滋賀県といえば堤一族の出身地だ。そのため地元UHFの「琵琶湖テレビ」では、ライオンズ戦の中継も行なわれている。
かつては大津でライオンズのオープン戦が行なわれたこともある。これは「私のライフワーク」のためにも（笑）、是非とも復活してほしいものだ。
レオマークの描かれた近江鉄道の車両
このあと、13時39分発の米原行に乗車。さらに大垣で豊橋行に乗り換える。この日は名古屋へ泊まる予定だったのだが、試合中止で時間が余ってしまった。そこで岐阜で高山本線に乗り換え、多治見経由で名古屋へという迂回ルートにした。「青春１８きっぷ」の有効活用である。
そして中央本線の千種で下車。ドラゴンズファン御用達の中国料理屋「ピカイチ」へ行った。