佐藤池野球場

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2000年4月22日、新幹線を含むJR東日本全線が土日2日間乗り放題になる「ウイークエンドフリーきっぷ」(16000円)を使って新潟へ行く。8時24分東京発の上越新幹線「Maxあさひ」に乗車。大清水トンネルを抜けて新潟県に入ると、まだ雪が残っていた。

長岡で信越線の直江津行に乗り換え、11時1分に茨目という無人駅に降り立った。佐藤池(さとうがいけ)野球場は、事前に地図で調べたところによると、柏崎駅よりも1つ手前のこの駅が最寄り駅になるようだ。

駅を出ると一緒の列車から降りた若い女性から「厚生病院はどこですか?」と訪ねられた。こんなローカル駅で下車したので、きっと地元の人だと思われたのだろう。

この後、降りたホームと反対側の長岡方面ホームにある待合室に行ってみると、球場までの案内図が掲示されてあるのを見つけた。手書きの簡素な地図である。

茨目駅 待合室の案内図

案内図に従い、北陸自動車道沿いに歩くこと約7分ほどで球場に到着。地方球場としては交通の便はわりと良い。ちなみに厚生病院は球場へ向かう途中にあった。

球場のある一帯は「佐藤池運動広場」と呼ばれていて、他にサブ球場と2面のサッカー場(ともに観客席は無し)、総合体育館などがある。サブ球場では少年野球チームが練習をしていた。


サブ球場

球場の前には宣伝カーが止まっていて、「柏崎市市制60周年記念、プロ野球イースタンリーグ公式戦・読売ジャイアンツ対湘南シーレックス開催! チケットのお求めは当日球場へ」というテープがエンドレスで流されていた。

ここで素朴な疑問。果たして新潟のごく一般的な人は「湘南」なるチームを知っているのだろうか? まさか巨人とJリーグ・湘南ベルマーレとの「異種格闘技?」だと思った人はいないだろうな(笑)。


宣伝カー

入場券は、ネット裏指定席2800円(前売2300円)、内野指定席2500円(同2000円)、内野自由席・大人2000円(同1500円)、内野自由・小人1000円(同800円)、外野席・大人1000円(同800円)、外野席・小人700円(同500円)。二軍戦のわりには高い。


入場券

球場前にはジャイアンツグッズの売店はあったが、飲食物関係の売店は無し。球場周辺にも店舗は全く無い。昼食はどうしようかと思いつつ場内に入ると、幸い中に売店があった。そこでハムサンドと肉じゃがコロッケパンを買った。代金は399円であった。球場内の売店で外税方式というのは珍しい。

他には、おにぎり300円、おにぎり弁当500円、天ぷらうどん500円、おでん500円、やきそば300円、お菓子100円、ビール・チューハイ・日本酒各300円、清涼飲料水(ペットボトル)200円などが売られていた。ちなみに球場前に清涼飲料水の自販機があり、そちらはペットボトル150円、缶120円だったので、それらは外で買ったほうがいいだろう。

場外のグッズ売り場 場内の売店

佐藤池球場は1986年11月30日完成(開場は翌年5月)。照明設備は無く、両翼92m、中堅120mと比較的新しい球場のわりにはグラウンドサイズが小さい。スコアボードはバックスクリーンと一体型の手書きで、だいぶ錆びが出ていた。またポジション表記が漢字なのが珍しい。

竣工当時の写真を見ると、バックネット前のグラウンド上に「KASHIWAZAKI」と書かれていたようだが、それらの文字は撤去されてしまったようだ。なおブルペンはスタンド下とファールグラウンド内の2ヶ所にあった。

観客席は、内野はすべて長椅子で、ネット裏は黄色、その他の場所は青色に塗られていた。外野は芝生席。収容人員は、内野席6400人(立見、身障者席を含む)、外野席8600人の計15000人。

ネット裏から
   
一塁側から 三塁側から
   
スコアボード

この球場のエピソードとしては、こけら落としとして行なわれた1987年5月23日の南海−ロッテ戦が、日没のため「サスペンデッドゲーム」となり、後日平和台球場で再試合が行なわれたというのが一番有名であろう。


球場正面

さて、試合開始45分前になると、早々と先発バッテリーが発表された。巨人は西山−加藤、湘南は細見−新沼。地元新潟出身の加藤健一の名前がアナウンスされると、場内から拍手がおきた。

試合前のセレモニーとして、地元の少年野球選手から両軍監督に花束贈呈、サインボール投げ入れ、柏崎市長による始球式が行われたあと、13時にプレイボール。

試合は、4回表に湘南が4番新井潔の犠牲フライと、5番長見のタイムリーヒットで2点を先制。しかしその裏、巨人は4番渡辺の2点タイムリーヒットで同点にしたあと、さらに二死満塁のチャンスを作る。ここで地元の期待を背に受けた8番加藤が、ピッチャーを強襲しレフト前に転がるタイムリーヒットを放ち、一挙4点を奪い逆転した。

さらに巨人は7回裏、代わった小桧山、阿波野から4点を追加。8回表に湘南は6番宮内のタイムリーヒットなどで3点を返すが、8回裏には加藤が、地元へ錦を飾るホームランをレフト場外へ叩き出し、9−5で巨人が勝利を収めた。

 
阿波野投手(湘南)

なお、この日の観客の入りは、内野席は7〜8割だが外野席はパラパラという程度。ライトスタンドには「巨人軍新潟ファンクラブ」という旗を立てた応援団、レフトスタンドには、おなじみ「平塚爆星会」を含む湘南応援団が来ていた。

シーレックス応援団 ジャイアンツ応援団
   
巨人軍新潟ファンクラブ

またCSテレビの「NNN24」の中継用テレビカメラが3台(バックスクリーン横、一塁側スタンド上部、一塁側ベンチ脇)の他に、地元の「テレビ新潟」、「新潟テレビ21」のビデオカメラも来ていた。ローカルニュースででも取り上げるのだろうか。

試合後は再び茨目駅へ。下り(長岡方面)の列車の時刻(17時12分)までまだ時間があったので、一旦16時47分の上り(直江津方面)に乗って、柏崎まで行ってみた。このへんは「フリーきっぷ」の便利さである。柏崎で駅の外に出てみたが、特に見るべきものは無かったので17時8分の長岡行ですぐ折り返す。

柏崎駅

長岡では駅弁を買おうかと駅構内を物色したが、食指の動くものがなかった。新幹線の待ち時間が50分もあったので、駅を出て東口のダイエーへ行き幕の内弁当と酒を購入。18時42分の「Maxあさひ」に乗り、20時19分東京へ到着。

さて、JR東日本全線が乗れる「ウイークエンドフリーきっぷ」というのは2日間有効である。翌日は同カードが三条でも予定されていたが、久しぶりにデーゲームでロッテ戦が行われるので仙台に行くことにした。

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