あじさいスタジアム北神戸


球場外壁のロゴ

MAP

2000年度の「ダラ球会関西観戦会」は、5月13〜14日のオリックス−ロッテ(グリーンスタジアム神戸)と決まった。そこでその前後の日程を調べてみたところ、前日に北神戸でウエスタンリーグがあることがわかった。

実は筆者は、前年(1999年)に由宇で「全球団ファーム本拠地制覇」を成し遂げていた。しかし2000年になって、オリックスの二軍(サーパス神戸)がグリーンスタジアム神戸サブ球場から北神戸に移転してしまったため、「記録」が1年もたたずに途切れてしまっていたのだ。

所詮は自己満足ながら、せっかくの「記録」が簡単に途切れてしまうのも何だか癪だった。そこでこの機会を生かして、観戦会前日にひとり神戸入りすることにした。

5月11日の夜、新宿から夜行バス「ニュードリーム神戸号」に乗車。翌12日の午前5時半頃、休憩で停まった滋賀県・草津SAで目が覚めると、雨が降っていた。しかしこの雨も6時を過ぎる頃には幸い上がった。

7時10分にJR三ノ宮駅東口に到着(予定より15分早着)。なお、道中の「阪神高速」から野球場らしきものが見えたので、甲子園かと思ったらそれは西宮スタジアムだった。

三ノ宮駅前の「マクドナルド」で朝食を食ったあと、阪急電車で新開地へ。ここで神戸電鉄の「準急・三田行き」に乗り換えて岡場駅で下車する。ちなみに三宮から岡場までは、地下鉄〜北神急行を使い谷上経由で行ったほうが早いのだが、時間的に充分に余裕があったので運賃の安い新開地経由とした。

岡場駅は寂れたローカル駅なのではと予想していたが高架線の意外に大きな駅で、駅前にはダイエーやローソン、ファミリーマートなどがあった。なお、本来なら2つ先の二郎(にろう)駅が距離的には球場に一番近いのだが、駅からの道が整備されていないらしいので、ここからバスを使うことにした。

駅前から10時10分発の神戸市バス68系統「北星和台経由・神鉄道場行き」に乗り、約10分で「菖蒲が丘2丁目」で下車(運賃は220円)。ここはその名から想像がつくように、新興住宅地といった趣きの場所。ちなみにバスの便は1時間に1〜2本程度である。

バスの中から照明塔が見えたので、なんとなくその方角に向かって歩いていく。だが、なにぶん未整備の山道なので道を間違えてしまい、球場に着くまで17分かかった(本来なら10分くらい)。球場のある「北神戸田園スポーツ公園」は山陽自動車道のすぐ脇にあるので、車ならば便はいいかもしれない。

この公園は将来的には多目的競技場、軽スポーツ公園、芝生広場、自然生態園、ガーデンパークなどの施設が出来る予定で、それらはすでに公園の案内板にも描かれているのだが、この時点ではまだあじさいスタジアムとサブ球場2面(A・B)しか出来ていなかった。

ちなみにサブ球場はA、Bとも両翼80m、中堅105m。スコアボード、バックスクリーン、観客席、照明、芝生などがないので、主に草野球用のグラウンドであろう。

「北神戸田園スポーツ公園」入口 サブ球場B

早く着きすぎてしまったので1時間以上待って、12時の開門と同時に入場。入口は三塁側の1ヶ所のみで、そこにテーブルを出してチケット売場にしていた。入場料は大人(高校生以上)300円、小人(中学生以下)とファンクラブ会員は無料。300円を出してチケットを受け取ると、何故か日付が修正してあった。


入場券

中に入ると、前夜来の雨のためグラウンドの土の部分では整備が行われていて、人工芝部分を使ってダイエーの選手がノックやトスバッティングをやっていた。

なお、球場内には売店は無く、期待していたサーパスグッズは売ってなかった。このへんは湘南シーレックスにだいぶ遅れを取っている。まあ、「サーパスTシャツ」なんて着てると穴吹工務店の宣伝をしているみたいでちょっとイヤだが。ちなみに清涼飲料水の自販機は、球場前の広場にある(ペットボトル150円、缶120円)。

あじさいスタジアム北神戸は、2000年3月25日のオリックス(この時点ではまだ「サーパス」ではない)−阪神(ウエスタン教育リーグ)がこけら落とし。なおこの時には神戸電鉄・田尾寺駅から無料送迎バスが出たそうである。両翼99.1m、中堅122.0mは以前の本拠地・神戸サブ球場と同じ(ということはGS神戸とも同じ)である。

内野は黒土で外野とファールエリアは人工芝。観客席は、メインスタンドは長椅子で約1000人収容、内野席と外野席は約2000人収容の芝生席で、合わせて約3000人収容とのことである(この日外野席は閉鎖)。雰囲気はグリーンスタジアム神戸サブ球場に良く似ている(というか似せて造ったのかもしれない)。


ネット裏からの眺め

スコアボードは磁気反転式、照明塔は6基、ブルペンは内野芝生席を欠け取る形で2人分設置されている。

なお、外野席の後方には目隠し用のネットが張られているために、タダ見はむずかしい。どうしてもタダ見をするならば、照明塔の台座に乗っかって背伸びをする必要がある。

ところで「あじさいスタジアム」という愛称は応募総数340件の公募の中から、神戸市の花「あじさい」にちなんで付けられたそうである。


スコアボード

メインスタンド 芝生席

さて、試合開始時刻は13時のはずだが、予定時刻が近づいても始まる気配がない。そこで係員に聞いてみると、「グラウンドが乾くのを待つため30分遅れで開始する」とのこと。そして13時30分にプレイボール。先発投手はサーパス・木村、ダイエー・小椋。

2回裏サーパスは2死満塁から9番久保が押し出しの四球を選び1点を先制。さらに4回裏7番斉藤のヒットで2点目を挙げた。一方ダイエーは5回表、8番高橋のヒットで1点、6回表には4番出口のヒットで2−2の同点とした。

さて試合を見つつも場内の探索を続ける。照明塔には誰が貼ったのか「あなぶきんちゃん」のシールが貼ってあった。また、これは球場の外だったが、サーパス神戸のシールも見つかった。これらのシールはサービスとして配られたものなのだろうか。

そんなふうにスタンドをウロウロしていたら、たまたま近くにファールボールが飛んできた。ボールを拾って係員に渡すと、かわりに「あなぶきんちゃん携帯ストラップ(たぬき)」をくれた。これはいい記念になった(笑)。

なお、この日の観客は約100人。平日の二軍戦としては、まあ普通の動員だろう。

あなぶきんちゃんシール サーパス神戸シール


あなぶきんちゃん携帯ストラップ
(着信すると、たぬきのキ○○○の部分が光る)

さて試合に戻る。7回表ダイエーは、代わった戎から9番新里が渋く三遊間を抜き勝ち越し。さらに代打湯上谷もヒットで続き2点差とした。

しかしその裏、サーパスは1死2、3塁から3番佐竹がダイエー3番手の松から一塁線を抜く二塁打で同点。続く4番マルセドもレフト線にヒットを飛ばし、再び逆転した。

しかしダイエーは、8回表には戎の牽制悪送球で同点に追いつく。するとその裏代打河野が勝ち越しソロホームラン。これで勝負が決まったかと思われた。

なお、筆者にはひとつ気になることがあった。それはこの日、GS神戸のナイターも観るつもりでいたのだ。18時15分の試合開始から観るためには、16時40分のバスがリミットだろう。このまま終われば9回裏が無いので、なんとか間に合いそうだ。

ところが9回表に登板した前田が2死ながら1、2塁のピンチを作ってしまう。そしてここで出口が同点タイムリーヒット。出口〜、余計なことをするな〜。

結局その裏、サーパスは2死満塁から7番嘉勢のヒットで7−6でサヨナラ勝ち。試合終了時刻は16時36分。4分でバス停まで行くのはもう無理だ。まあシーソーゲームで面白かったから良しとするか。

結局、岡場駅行きのバスは17時24分まで無いので、少し遠回りになるが16時51分の神鉄道場行きバスに乗る。ちなみにバスは19時台に全て終わってしまうので、ナイター開催時の帰りには使えないだろう。

バスは17時5分に神鉄道場駅に到着。この駅はバス停よりも一段低い場所にあり、バスを降りても駅舎が見付からずに少し戸惑う。

そして17時16分の新開地行きに乗り、谷上で北神急行に乗り換える。今回は時間に余裕が無いので、短絡ルートを使う。北神急行は、そのまま神戸市営地下鉄に乗り入れるので、総合運動公園までは1本で行ける。

余談だが、北神急行の谷上〜新神戸間のトンネル内には電光によるアニメーションが流れるので、窓の外に注目することをオススメしたい。そして18時23分、総合運動公園に到着。球場に入るとちょうど1回裏が終わったところだった。

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