呉市営二河野球場

(ゲスト寄稿/広島県・いの一番さん)

MAP

2002年3月17日、筆者は広島−ダイエーのオープン戦を観戦するため呉市に向かった。JR広島駅から呉線の快速列車に乗車する。この列車は広島と呉をノンストップで結んでくれる便利な列車だ。正午前に呉駅に到着、球場はここから北側(山側)に1キロ少々の所にある。大した距離ではないので徒歩で行くことにしたが、同じ列車で来た人が結構一緒についてくる。広島市内から観戦に来た人もかなりいるようだ。

約15分で球場に着いた。球場正面の掲示を見ると、この試合は呉市制100周年の記念行事として開催されたとのことだ。呉でのプロ野球自体が3年ぶりのことで周辺は既になかなかの賑わいである。

3000円(ちょっと高い)の内野席券を買い、時間があったので近くの呉市スポーツ会館(後述)に寄って、それから球場に入る。既に外野席はほぼ満員で内野席も7割ほどの入り、しばらくして「外野席は売り切れ」という場内放送も流れた。それではここで球場の概要を紹介しよう。

完成:1951年 全面改修:1993年(外野拡張、照明塔設置等)
グラウンド:両翼97.5m、センター122m、内野土、外野天然芝
スタンド:内野席イス席、外野席芝生席、15000人収容
スコアボード:磁気反転式
照明塔:6基

この球場の特徴は外野フェンスが低いことだ。ポール際は3mくらいの高さがあるが他は2m弱くらいでちょっと低すぎる気がする。しかしここは2002年6月現在、広島県内の公営球場では唯一公認野球規則の基準を満たした球場で、広島市民球場に比べるとスタンドは通路も広く傾斜も緩い。ブルペンもスタンド下にあるなど設備も充実している。

ネット裏から 一塁側から
   
三塁側から ライトスタンドのカープファン

さて午後1時になり、呉市助役の始球式で試合開始、広島は鶴田、ダイエーは倉野の先発である。広島は2回に2点を先制し、それに対してダイエーは4回小久保のホームランでさあ反撃開始という感じだったのだが、その後少し変なことになった。ダイエーは小久保をはじめ先発で出ていた井口や秋山が途中交代してしまったのだ。城島に至っては最初から出ていないし、投手の方もほとんどが一軍半の選手ばかり。


始球式

どうもこの日のダイエーは本気で試合をする気がなかったようだ。レフトスタンドには福岡から来たと思われるダイエー応援団がいたのだが、彼らには気の毒な試合だった。かくして試合は6−1で広島の勝ち。途中から両チームとも攻撃が淡白になり試合は2時間30分で終わっってしまった。

ところで、この球場はかつて南海ホークスのキャンプ地だったことでも知られているが、レフトスタンド後方の呉市スポーツ会館1階には呉市出身で元南海監督の故鶴岡一人氏に関する品々を展示したコーナーがある。小さなスペースだが球場に来た時には寄っておきたいところだ。筆者が試合前に行った時にはちょうど広島の阿南準郎球団本部長(元監督)が来ていたのだが、南海の黄金時代を伝える展示品を感慨深そうに見ていたのが印象的だった。


呉市スポーツ会館

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