ナゴヤ球場

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1948年12月2日開設。当時はスタンドが木造だったため、着工から「わずか45日」で完成したという。しかしその「木造」が災いして、1951年8月19日に火災で焼失。そして1952年4月5日に鉄筋コンクリートの現球場となる。

当初は「中日スタジアム」と言ったが、倒産のため1976年より「ナゴヤ球場」に改称された。かつては中日ドラゴンズのフランチャイズだったが、1997年のナゴヤドーム完成とともにファーム専用球場となる。

そして1999年になって、外野フェンスの高さが1.7mから4.8m、両翼が91.44mから100m、中堅が111.89mから122mとナゴヤドームと同じ広さに拡張された。そこで改装されたナゴヤ球場を確認すべく、3年ぶりに1999年6月13日に訪れた。

午前11時半に名鉄・ナゴヤ球場前駅に着く。ホームの豊橋寄りにある「グラウンドゲート」(南臨時改札口)は予想どおり閉鎖されていた。二軍戦の観客動員力では、もはや臨時改札口は不要のため、もう2度とこの改札口が開くことはないのだろう。

だが、閉鎖されているとは知らずにそちらに向かう子供たちがいた。ところで、かつてはこの臨時改札口の階段にドラゴンズの選手たちの「手形」が飾られていたが、どうなったのだろうか。

さて、駅から歩いて6〜7分で球場に着く。

以前は球場近くのJR貨物線上に「ナゴヤ球場正門前」という臨時駅があり、ナイター開催時のみ名古屋駅から列車が運行されていた。この駅はまさに球場の真ん前にあり大変便利であった。

私は1度乗ったことがあるのだが、その時は特急用の車両が使われていて、なおかつグリーン車も連結されていた。そしてグリーン車でも普通料金で乗れたので、なかなか「お値打ち」な列車であった(乗車時間はわずか数分だったが)。

しかし、95年に東海道本線に尾頭橋駅が開設されるとその駅は廃止された。ちなみに尾頭橋駅から球場までも徒歩5分程度で行ける。

なお、現在でも「ナゴヤ球場正門前駅」の跡地の壁(新幹線高架下)にはドラゴンズの選手を描いたとおぼしき絵が残っているので、興味のある方はご覧あれ。

さて、球場に着くがまだ試合開始には時間がある。そこで球場近くの「ラーメン専科 竜」で昼食を食べることにした。この店はドラゴンズ選手をはじめとして球場関係者御用達の店でそうである。

そして実際に、私が店に入るのと同時にサムソン・リーも入って来た。また、審判室からも出前の注文があった。

ここの名物はスペアリブ入りの「竜」ラーメンで、まんが家のたかみね駆さんがこれを食べた時に、お店のダンナに「女の子には食べきれない量だから、少なめにしておこうか?」と言われたが、通常量をちゃんと残さず腹の中に納め「こういう子もいるんだねえ」と、変な感嘆をされたそうである

しかし店内のメニューには「竜」は載っていなかった。ダンナにきいてみると、もうやってないとのことだった。残念である。そこでチャーシュー、コーン入りの「菊」ラーメン(550円)を注文した。

麺は細めのほぼストレートで硬め、スープはあっさりした醤油味、具はチャーシュー2枚、メンマ、ネギ、コーン。ダンナは「今日は野球があるから客がいつもより多いな」と言っていた。

ちなみにこの店の並びには、ドラゴンズ定食などセ・リーグ6球団の名前のついた定食が売りの「食事処ますだ」や、やはり球団・マスコミ関係者御用達の「喫茶・軽食マサ」などの飲食店もある。

店を出ると球場のまわりをぐるっと一回りしてみた。すると「球場敷地内へのダフ屋の立入を禁止する。」という看板が残っていた。もう、この周辺にダフ屋が出現することも無いだろうが。

そして入場券(1000円)を買い中へ入る。以前は三塁側のオープンデッキから入場したが、現在は球場正面が入場口となっていた。

入るとすぐ左側に売店があった。営業しているのはもはやこの1軒のみで、かつての売店群は廃虚のような佇まいであった。そして名物だった「どて飯」「矢場とん」の串カツが無くなってしまったのは残念だ。

また通路には、選手名ボードがところどころ欠けている「思い出のスコアボード」や、もう使われなくなったモニターTVが、照明の消えた闇の中にひっそりと置かれていた。

さて続いてグラウンドを見る。うん、たしかに拡張されている。そしてフェンスも高くなっている。さらにフェンスの広告も無くなっていた。客席内の広告は健在ながら、外野の照明塔が撤去されたため、「世界の飲料チェリオ」の広告も無くなっていた(照明塔は内野の2基のみが健在)。

そしてレフトスタンド後方には新幹線が見える。これを見るたびに1973年10月20日の中日−阪神戦のTV中継を思い出してしまうのは私だけではないだろう(意味がわからない人は35才以上のプロ野球ファンに聞いてみよう)。

この日のゲームはウエスタンリーグ・中日−近鉄。日曜日ということもあって観客の入りは二軍戦としてはまあまあ。1000人くらい入っていたかもしれない。ただし2階席には閑散としていた(40人くらい)。また外野席は未開放であった。

三塁側にはバファローズのユニフォームを着た応援団が7人ほど居たが、南淵の打席の時にボーリックの応援をしたり、背番号55の安田の打席では大豊の応援をしたりして、ドラゴンズファンばかりの球場の中では非常に浮いていた。

そしてその中には「背番号0.5」で背中に「MURAI」とネームが書いてある人がいた。この人は近鉄の二軍戦を見にいくと非常に良くみかける。過去には西京極、広島にもいた。しかし彼はあまり熱心に応援せずに、何故か連れていた猫の世話をしていた。

試合は2回にピッチャー島崎のヒットで中日が先制。その後ショーゴーのホームランや、島崎の2本目のタイムリーヒットなどで6点を奪う。

一方近鉄は島崎−岸川−日笠−矢口−今中の投手リレーにわずか5安打におさえられ無得点。ルーキーの松本が、3連続四死球とあと3連続三振を奪うという「怪投」をしたことぐらいしか印象に残らなかった。

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