西京極球場

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2000年3月22日、宇都宮清原球場からそのまま自宅へ戻らずに東京駅に向かい、夜行の「ムーンライトながら」に乗る。翌23日、大垣で網干行に乗り換え8時59分京都に到着。まずは駅からほど近い「新福菜館」(「新横浜ラーメン博物館にも出店していることで有名)に行き、朝食をとる。この店はラーメン屋ながら朝早く(午前7時半)から開いているので旅行者には便利である。

そして名物の「特大新福そば」(800円)を食う。さすが「特大」と名がつくくらいなので量が多い。チャーシューも20枚くらい入っていたのではないだろうか。京都というと「薄味」が連想されるが、ことラーメンに限っては京都は濃い味付である。朝から満腹になってしまった。

さて西京極球場へのアクセスは、阪急電鉄・西京極駅からが一般的だろう。しかし京都駅から阪急に乗るためには、地下鉄を経由しなければならないので運賃が割高になってしまう。

そこで、京都駅前から市バス73系統・洛西バスターミナル行に乗車した。10時42分発の発車予定だったが4分遅れで出発。約30分で「西京極運動公園前」で下車する。運賃は220円。

まずは球場へ行き入場券を購入。この日のカードは、阪神−オリックス・オープン戦である。入場券の種類は、「特別指定席・3000円」、「内野指定席(一塁側・三塁側)・2500円」、「内野自由席(一塁側・三塁側)・2000円」、「外野大人・1000円」、「外野小人(4才以上小学生まで)・500円」とあった。

筆者は特別指定席を購入。チケットには「パープルネット裏A」と書かれていた。「パープル」というのは座席の色で、特別席のこと。ちなみに指定席はオレンジ、自由席はイエローと色分けされていた。なお、球場前では「月刊タイガース」の年間定期購読の受付を行っていた。

そしてとりあえず球場に入る前に、昼食の調達のため阪急・西京極駅の方へ向かう。そして駅前の「MINI SHOP」というコンビニで昼食を購入。ちなみに球場寄りにある「臨時改札口」の前には、弁当屋や各種屋台もあった。

西京極総合運動公園入口 阪急 西京極駅 臨時改札口

このへんで西京極球場についての概要を紹介しよう。球場を擁する西京極運動公園は、昭和天皇の御成婚を記念し京都市で最初の運動公園として1930年から整備が始められ、1932年までの第1期事業で野球場、テニスコートなどが建設された。

1942年までの第2期工事では陸上競技場、水泳場などが完成。しかし戦時中は食糧難のためグラウンドはいも畑となり、終戦後は連合軍に接収されたそうである(1951年解除)。

その後、1946年に京都市を中心に近畿一円で第1回国民体育大会がこの公園をメインにして開かれ、1963年には公園区域に隣接して体育館が完成、1965年3月に野球場に夜間照明が設置(一塁側場外に「夜間照明設備竣工記念碑」がある)、1968年に球技場完成、さらに相撲場、アーチェリー場、トレーニングセンターも整備された。

1988年には2巡目の第43回国体が行われるため、1982年から全面的な改修工事がなされ、1985年に第1種公認の陸上競技場兼球技場、1986年に補助競技場、1987年に野球場の改修が完成された。なお、陸上競技場兼球技場はJリーグ・京都パープルサンガのフランチャイズでもある。


西京極球場夜間照明設備竣工記念碑

西京極球場は前述の通り、1932年8月開設のかなり古い球場である。かつては阪急ブレーブスが準フランチャイズとして使っていたこともあるが(1967年には20試合も行われている)、ここ最近の公式戦は阪神が年1試合行なうのみである。

その他のプロ野球は阪神や(何故か)巨人のオープン戦やウエスタンリーグが年1回開催されるのみとなり、100万都市・京都のメイン球場としてはちょっと寂しいところである。

両翼100m、中堅117m、照明塔は最近では珍しくなった鉄塔型のものが6基。スコアボードは磁気反転式である。収容人員は20000人(内野13300人、外野6700人)で、観客席はネット裏を含め全て長椅子、外野席は前4〜5列のみ椅子席で、あとは芝生席となっている。両翼100mと古い球場のわりには広いことから、かつては「ラッキーゾーン」が設置されていたこともある。

なお、隣接する「京都市民スポーツ会館」には、地元出身の吉田義男氏の現役時代のユニフォームや、1971年に西京極球場で行われた「阪急・巨人連合−オリオールズ」の記念ボールなどが展示されてあった。これは新しい発見。


吉田義男のユニフォームと各種サインボール

さて、試合開始が近づいてきたのでそろそろ入場しよう。入場時に、タイガースミニスケジュール表を貰った。まずは席に座り球場全体を眺めてみる。フェンスの広告には「学問の街京都」らしく? 「佛教大学」や「花園大学」の広告、そして京都発祥のラーメンチェーン「中華そば専門 天下一品」などローカルなものが目についた。

またバックスクリーンの後方を阪急電車が通過するのもこの球場の風景の大きな特徴である。そして内野スタンド下のカメラマン席の並びに、金網越しの招待席? のようなスペースがあった。そしてレフトスタンド裏の柵越しにはタダ見スポットがあった。


レフトスタンド裏のタダ見スポット

さて続いて売店のチェック。売っていたものは、ホットコーヒー250円、清涼飲料水(紙パック)150円、ビール(レギュラー缶)400円、生ビール(大)700円、(中)500円、フランク250円、焼きとり250円など。なお、場内には清涼飲料(紙コップ)の自販機(80〜90円)も置かれてあった。

試合前には京都府及び京都市それぞれから、両軍監督と地元出身の阪神・桧山、オリックス・川口に花束贈呈。そして小学生の女の子による始球式があり13時プルイボール。先発投手は阪神・湯舟、オリックス・杉本友。

4回表、オリックスは4番イチローのタイムリーヒットで2点を先制。その裏阪神は4番新庄のレフトファールフライが犠牲フライになり1点を返す。

7回表、打者イチローの時に阪神は2番手中込から遠山に交代。するとここで仰木監督はイチローに代打藤立を送る。この采配には「左キラー」遠山とイチローの対戦を期待したファンから不満の声があがる。

その後阪神は葛西−ミラー、オリックスは岩下−徳元とリレー。ともに得点を与えずにそのまま2−1であっさりゲームセット。試合時間2時間26分、観衆15000人。

試合後は西京極駅から阪急電車で河原町へ。そして京都に来た時にはなるべく行くようにしている新京極の「スタンド」というレトロな雰囲気の大衆バーへ入る。

朝の特大ラーメンが効いていたため、西京極のコンビニで買った昼食は結局食べずじまいだった。にもかかわらず、この時点になってもあまり腹が減ってなかったので、ビール(大瓶)1本、えだ豆卵とじ、こいもをオーダーするのみで辞去。会計は1290円。

ちなみに翌日は彦根に行く予定なので、本来なら京都に宿泊したほうが便がいいのだが、京都は世界的な観光都市だからかホテル代が非常に高い。

そこでちょっと遠くなるが、交通費に関しては「青春18きっぷ」を使っていたので別途かからないということもあり、梅田の「カプセルイン大阪」に泊まることにした。

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