静岡県愛鷹球場

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2000年5月20日、朝目が覚めると小雨が降っていた。出掛けるには微妙な天気である。そこで9時頃、愛鷹球場に電話をした。すると「責任者がまだ来ないので試合の決行については未定です。現在こちらはパラパラ降っていますが空は青いです」とのこと。とりあえずは中止の方向ではないようなので出掛けることに決めた。

小田急線の急行・箱根湯本行に乗り、11時28分に小田原に到着。ここで再度球場へ電話。今度は「行なう予定」とのこと。そこで東海道線に乗り換え12時45分沼津に到着した。電車から降りると蘭兵衛さんとバッタリ遭遇。どうやら同じ電車に乗っていたようだ。

沼津駅前の「富士急デパート」1階にあるパン屋で昼食を買って、13時発の富士急バス臨時便「愛鷹球場行」に乗車。臨時バスは12時から14時まで30分毎に計5本運行されていた。なお、定期便の「運動公園行」は9時15分と15時30分の1日2本しかないようである。

3分遅れで発車したバスは所要33分で愛鷹球場に到着。運賃は420円。乗客は筆者と蘭兵衛さんを含めわずか3人しかいなかった(途中で下車した客は他に数人いたが)。


富士急バスの臨時便

バスを降りて球場に向かうと、見たことのある人がこちらを向いていた。それはダラ球会のコーチンさんだった。翌日の草薙球場での東海支部観戦会に備えて、前日から静岡入りしたそうだ。これで急遽「臨時ミニ観戦会」という趣きになった。

本日のカードはイースタンリーグ公式戦・湘南−巨人。ところで、雨はあいかわらず降っている。そのため13時半の予定が遅れて14時にようやく開門。入場料は、ネット裏2500円、内野(大人)2000円、内野(小人)800円、外野(大人)1000円、外野(小人)500円。入場時にメンバー表を貰う。

愛鷹球場は草薙球場に続く静岡県で2番目の県営球場として、1989年4月1日に開設。愛鷹広域公園内にあり、JFLのジャトコの公式戦も行われる多目的競技場やスポーツ広場が併設されている。

1990年には大洋−ダイエーのオープン戦が行われたことがあり、今回のゲームはそれ以来のプロ野球開催である。なお「愛鷹」は「あしたか」と読む。ちなみに球場の所在地名は「足高」と表記されている。

面白いのは、メインスタンドには「静岡県愛鷹球場」、内野席入口には「静岡県あしたか球場」、スコアボード裏側には「愛鷹広域公園野球場」とそれぞれ表記が異なっていること。どれが正式名称なんだろう。

山の上の傾斜地を利用した「掘り下げ式」グラウンドで、西武球場がモデルになっているようである。ネット裏最上部には関係者席があり、なんとなく「オーナーズレストラン」を思わせる。

ネット裏から 三塁側から

両翼99m、中堅122m。内野は土、外野は天然芝だが、フェンス沿いにぐるっと人工芝が敷かれていて、バックネット前には「ASHITAKA」と書かれている。また内野の土の部分が真円形なのが特徴的だ。ブルペンはスタンドを欠け取った場所に2人分設置されている。

スコアボードは手書きで、丸みのある形状がとってもユニーク。照明塔は6基あり、これは1992年4月1日に設置されたもの。観客席は、ネット裏が背もたれ付きで収容2550人、内野席は長椅子で収容6550人、外野は芝生席だが両翼ポール際のみ階段状の席があり収容4200人の計13300人収容。

外野席の後方には、沼津の街並みと駿河湾が雨のためにぼやけて見える。天気が良ければ絶好の景観だろう。ちょっと残念である。

球場案内図
(内野の土の部分が真ん丸)
ユニークな形のスコアボード

スタンド最上部の通路には売店があり、これも西武ドームと同じスタイルだ。売店では、おむすび2個(250円)、焼きそば(300円)、おつまみ(唐揚げ、枝豆各300円)、フランクフルト(200円)、袋菓子(150円)、生ビール(300円)、缶ビール(300円)、お酒(300円)、ペットボトル(200円)、お茶(レギュラー缶・100円)などの飲食物や、湘南・巨人グッズ、「シーレックススポーツウォーター」も売られていた。また、場内には清涼飲料水の自販機もあり、紙パック100円、缶120円、ペットボトル150円と市価並みの価格。

試合開始30分前に先発バッテリーが発表。しかしグラウンドにはシートが掛けられたまま。選手達はファールゾーンで軽い体操やランニングをするだけで、本格的な練習は行なわれなかった。その間、審判団と主催者がグラウンド状態をチェックしていた。

試合前のセレモニーとして、サインボールの投げ入れ、少年野球のバッテリーによる始球式が行われ、15時半にプレイボールがかかった。同時に照明も点灯。

ところで、この「15時半開始」というのは、雨で遅れたわけではない。もともとこの時刻だったのだ。ずいぶん半端な開始時刻の設定で、今までちょっと記憶にない。何故こんな時刻になったのか、行ってみればその理由がわかると思っていたが、結局わからずじまいだった。

先発ピッチャーは、湘南・戸叶と巨人・小野。2回表巨人は、不振のため二軍に落ちたばかりの6番二岡が、ライトスタンドへ先制のソロホームラン。二軍戦初打席でいきなり結果を出すあたりは流石である。


二岡の打席(ピッチャー・戸叶)

巨人はさらに4回表、2番川中のホームランなどで3点を追加。一方湘南は、4回裏に8番鶴岡のタイムリー二塁打で2点を返す。

ここでちょっと余談を2つ。鶴岡のあと、9番戸叶のところで「代打杉山」が登場したのだが、スコボードの選手名表示の部分には「杉山」ではなく、「PH」と書かれたボードが掲出された。ひょっとして全選手分のボードを用意していなかったのだろうか。

もうひとつの余談。5回裏が終了したところで、地元静岡県出身の湘南・鈴木寛樹投手が紹介され、ホームベース付近でスタンドに向かって頭を下げた。普通こういうのは試合開始前にやるのではないだろうか。やるのを忘れていたのだろうか。あるいは急遽決まったのか。

さて、今度はスタンドへ目を向けてみよう。当然の如く「平塚爆星会」を含むシーレックス応援団が来ていた。そして一塁側内野スタンドにグリーンのサッカージャージを着た人を発見。もしやと思い声を掛けてみたら「電光掲示板」(ダラ球会公式サイトのBBS)の常連、山本ザビ太さんだった。

また、筆者達の3列前の席にはやたら賑やかなネーチャン達がいた。特に湘南・福本に対して盛んに「マコちゃ〜ん」とコールしていた。一体彼女等は何者だったのだろうか。

シーレックス応援団 賑やかなネーチャン達

試合は結局、そのまま4−2で巨人の勝利。2時間24分のわりと短めのゲームだったため、空にはまだ薄っすらと昼間の光が残っていた。

帰りも臨時バスに乗って沼津駅へ。乗客は11人しかいなかった。たぶん大部分の観客は自動車で来たのだろう。そして「仲見世商店街」というアーケード街にある「パッセル」というお好み焼き屋に蘭兵衛さん、コーチンさんとともに入る。

20時半には早くも閉店となってしまい店を出されてしまった。地方都市は商店の閉まるのが早い。沼津駅で筆者と蘭兵衛さんは東京方面へ。コーチンさんは翌日の観戦会のために静岡方面へと別れた。

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