9月9日 ロッテ−近鉄
(千葉マリンスタジアム)

(千葉県・ふさ千明)

みんなで楽しく球場見学会、ということで8時半(当然ながら午前)頃に千葉マリンスタジアムカモメの窓口前に到着。見回すと見知った顔が無く、まだ誰も来ていないようだった。まだこの時点では誰が来るか分からなかったので、さりげなくダラ球会の会報を片手に持ったりして待つことにした。

慣れぬ早起きのためにぼーっとしていると、たけがわさんに声をかけられた。色々話し込んでいる内に1人増え2人増え、メンバーが揃っていく。話題が尽きることはほぼ無いので、基本的に待つことが苦にならない。

そんな中、ふと見るとカモメの窓口前にはシートを敷いて座っている人たちがいた。見学会の人かな? と思ったが見学者の列にも混じらず、列が動き出しても座ったままであるのでどうやら当日券購入者のようだ。「そんなことせんでも買えるでしょうに」と思ったが、まぁ、色々事情があるのだろう。

見学会参加者の意外な人出に驚きながら中へと進む。この見学会に参加するのは一昨年に続いて2度目。そのときの新鮮味とは違う何かを感じつつ、関係者入口から廊下を通ってトレーニングルームへ。

途中スコアラー室に『試合中の監督・コーチの入室禁止』という貼り紙があり、例の事件を連想した。トレーニングルームではまだ早い時間なのに汗を流している選手がいた。遠くて誰だかはよく見えなかったが。

その後、記者席を経てグラウンドへ出る。踏みしめる人工芝の感触はふかふかしていて、2月に川崎球場で踏みしめたあの固さと比べれば、名こそ同じ人工芝であるが、それに首を傾げたくなるほどに違う。

この辺の実感は2年経つと忘れているので妙に新鮮だった。その他色々な小ネタの収集に努めたりして、早起きの甲斐がある満足いく見学になった。

見学のあとは、時間いっぱいまでバックネット裏に陣取ってマリーンズの打撃練習を見る。なかなか見られるものではないので、どっちかというとこっちのほうが嬉しかったりする。途中、中抜けされる方が2人、とある投票券購入所まで旅だって行かれた。

見学時間が終わると、残った3人で海浜幕張駅前まで戻り、プレナ幕張内のロッテリアで昼食。色々ネタ話を交えて盛り上がる。道すがら酒屋にてリットル単位で飲み物買ったりしながら、球場に戻る。話にのめり込んだためか、中抜け組の2人はもう戻ってきていた。

いつものバックネット裏内野自由席、37番階段を上がったあたりに陣取る。先発はバファローズがエルビラ、マリーンズは清水直行。今シーズン思いのほか清水直をよく見る。「そんなに投げてたかな?」なんて思ったりもする。そう言えば去る9月3日も先発は清水直だった。一方のエルビラは噂のノーヒッター。生で見るのは初めてである。

この日のオーダーは、バファローズのショートが水口だったりマリーンズの2番がセンター本西だったりと、どちらも平素のそれからちょっと変化させてきた。

1回表

1番大村サードゴロ、2番武藤ショートゴロ、3番中村センターフライ。三者凡退。

1回裏

1番サブロー、レフト前ヒット。2番本西ピッチャーにとらせるキッチリバントで1死2塁。得点圏にランナー進んで、3番石井登場。ライトスタンドからトランペットの音色。『熱くなれ石井』のテーマだ。何度聞いても“熱く”なれる音色である。

歓声を背に受けつつの打席は、打球に力の無いショートゴロ。ファースト送球の間にサブロー進んで2死3塁。4番ボーリックの打球は三遊間へ。水口追いついただけ。打者走者のボーリック必死に走って1塁セーフ。ショート内野安打で1点先制。0−1。なおも2死1塁。5番佐藤サードゴロでスリーアウト。チェンジ。

2回表

4番ローズはレフトフライ。5番吉岡サードゴロ。6番磯部ファーストゴロ。ふたたび三者凡退。清水直、快投である。特に外角いっぱいにストレートが決まるのが、見ていて小気味いい。

2回裏

6番堀ライトフライ。7番酒井もライトフライ。8番吉鶴セカンドゴロ。三者凡退。エルビラもそんなに悪くないようだ。

3回表

7番川口空振り三振。8番水口も空振り三振。9番内匠セカンドゴロで、みたび三者凡退。清水直の快投つづく。「わかった!アレは清水じゃなくて中に小野が入ってるんだ!」無邪気で正直で残酷な子供の指摘が聞こえた。

3回裏

9番小坂レフト前ヒットで無死1塁。打順はトップに戻ってサブロー。送りバントの打球は面白いところに転がる。サード中村掴んだが間に合わず内野安打。無死1,2塁。本西再度送りバント。またもピッチャーに捕らせるいいバントで、1死2,3塁。

チャンスでバッター石井と、場面再現。「今度こそ」の期待の中、またも力無い打球はライナー気味のショートフライ。以前はああいう打球がセンター前へ抜けていたのだが‥。続くボーリック歩いて、2死満塁。チャンスは続くものの佐藤ショートゴロでチェンジ。三者残塁。

4回表

大村レフトフライ。武藤レフト線へツーベース。バファローズ、初ヒット。1死2塁で、中村登場。当代いてまえ打線の主軸にして、石井の後継者。この怪童を先ほどの打席では打ち取ってこそいるが、危ないことこの上ない。

この緊張した場面でキャッチャー吉鶴パスボール。ランナーはサードへ進む。何やってるのか‥。清水くじけるかと思ったものの、中村を空振り三振に切ってとる。吉鶴はこの三振に切ってとった球も弾く。前にこぼして事なきを得るも、どーにも危なっかしい。

ローズライト前ヒットで1点。同点。1−1。吉岡もライトへ大飛球を放つ。ライトのサブロー、追う、追う、追う。フェンス際、キャッチ。ライトフライでチェンジ。

4回裏

堀レフト前ヒット。酒井の打席で、エルビラやたらとランナーの堀を警戒する。牽制球が3回目になったとき、ついにライトスタンドからブーイングが飛ぶ。ランナーに神経行き過ぎたか、酒井右中間にツーベースで、1点追加。1−2。

なおも無死2塁で、吉鶴が送りバント。しかしなぜか酒井スタートを切っておらず、不意を付かれたように立ち止まり、慌てて2塁へ戻ってしまう。これではせっかくのバントも単なるピッチャーゴロだ。「ぼーっとしてんな酒井!」野次も飛ぼうと言うものだ。ただでアウト一つ献上してしまったわけだから。1死2塁。小坂空振り三振で2死2塁。「エルビラ、立ち直っちゃったかな?」

迎えるバッターはここまで2安打のサブロー。内野陣がマウンドに集まる。梨田監督出てきて、ピッチャーの交代を告げた。3回3分の2を投げて2失点で交代は厳しいと言うよりもむしろ不可解ではないだろうか。今シーズンパリーグの試合でよく見かける光景だが、これではピッチャーが規定投球回数に達しないのも無理もないところだ。

出てきたピッチャーは石毛。「石毛?」皆さんご存じかと思われるが、ご存じ無い方のためにいささか解説させていただく。とある試合で先発していきなり5者連続フォアボールを与え2点を失ったとか、巨人時代リリーフで出てきたら相手チームの応援団から歓声が上がったとか、そういうことで有名なピッチャーである。93年に最優秀救援をとっているが、7年後の今、投球練習の8球もほとんどストライクゾーンに来ていない。

案の定サブローにストレートのフォアボール。2死1,2塁。この分ならほっといても2,3点入るんでは無かろうか。そう思っていたのだが本西ボール球に手を出してレフトフライ。チャンスがまたも潰れた‥。

5回表

先頭の磯部がフォアボールで歩く。今までのピッチングとは打って変わってボール先行。勝利投手を意識したとかいうよりも私には「石毛が移った」ように見えた。川口空振り三振も、スリーストライク目が暴投となった。振り逃げはならなかったものの、ランナー進んで1死2塁。次打者水口を歩かせて1死1,2塁。

このチャンスに、内匠の打球は一二塁間を跳ねた。堀追いついてファーストへ送球。2死2,3塁。アウトは一つ増えたが、まだバファローズのチャンスは続いている。ランナーがそれぞれ進塁しているので見ようによってはチャンスが広がったということもできる。そして打順はトップに帰り大村が打席に入った。

この時レフトスタンドに動きが。近鉄応援団が「いてまえ〜」のかけ声を合図に、テーマミュージックにあわせてバファローズカラーのタオルを持って踊り始めた。今年から始まった新応援だが、ファンクラブ会報『バフィバフィ』にお手本が載っていたというだけあって息がぴったりである。知らない人に見せて「大阪地方の伝統芸能です」と紹介しても充分通るだろう。応援を背に期待の大村、ピッチャーゴロでチェンジ。

5回裏

先頭の石井がついに復帰後初ヒット。3つとも同じコースへ飛んだのだが、ようやくセンター前ヒットになった。思えば石井が近鉄を離れたとき交換相手となったのがピッチャーの石毛でありファーストの吉岡であった。妙な因縁を感じる。

ボーリック、サードファールフライで1死1塁。佐藤フォアボールで1死1,2塁。堀のライトフライで、石井タッチアップ。2死1,3塁。バッター酒井。ランナーを背負って緊張したか、カウント2-1からの4球目、石毛痛恨のワイルドピッチ。サードランナー石井生還して1点追加。1−3。なおも2死2塁。石毛はあげくに酒井を歩かせ、2死1,2塁。吉鶴センターフライで、ようやくチェンジ。何というか、石毛らしい失点だった。

6回表

清水、いきなり武藤・中村に連打を食らう。ノーアウト1,2塁となってマウンドに内野陣が集まる。ベンチからも小野コーチ出てきて何やら話しあっている。この間レフトスタンドから音楽と共に「は・よ・や・れ」コールの大合唱。芸が細かいというか何というか‥。

結局ピッチャー交代。藤田登場。清水直は5回0/3を投げて被安打4で1失点。数字的には悪くないが、あの立ち上がりの小気味よさと途中から見せた脆さとの落差は一体何なのだろうか。彼もやはりリリーフ向きなのか。それとも本当に石毛に影響を受けたのか。

ノーアウト1,2塁で、迎えるバッターはローズである。セントラルにロバート・ローズあればパシフィックにタフィ・ローズあり。盟友クラークや中村と共にいてまえ打線の中核を務める昨年の二冠王。片や藤田とてマリーンズの中継ぎエース。この対決は試合を左右するに充分である。

レフトスタンドからは「いてまえ〜」コールが3回。そして『暴れん坊将軍のテーマ』に乗って今度は扇子を持って踊り出す。完全に伝統芸能の世界。この対決、ローズの空振りで藤田に軍配が上がった。ローズを押さえると、早々と藤田降板。コールされた名前は『ピッチャー、ウォーレン』だった。守護神から中継ぎへ。しかしマリーンズファンは守護神時代と同じく「ウォーレン」コールを送る。

吉岡の打球は三遊間へ。深い位置で捕球したため小坂投げられず、1死満塁。チャンスは続き、タオル踊り再び。磯部の打球はセンターへの大飛球。犠牲フライとなって2−3。セカンドランナーもタッチアップして2死1,3塁。

タオル踊りはまだ続く。川口の打球はウォーレンを襲う。足を痛打して打球は転々一二塁間へ。セカンド堀が追いすがるも一歩及ばず。抜けていった打球はライト前ヒットとなった。サードランナー中村帰ってついに3−3の同点。試合は振り出しに戻り、清水直の勝ちが消えた。これでようやくウォーレンの目が覚めたか、水口をショートフライに打ち取り、やっとこさのチェンジ。

6回裏

バファローズのピッチャー、石毛に代わって香田がマウンドに。近鉄お家芸(?)の元巨人リレー。先頭の小坂、ファールで粘り、ついに真芯でとらえた打球は1塁ベース横へ。抜けたと思ったがファースト吉岡好捕してファーストゴロ。サブローバットを真っ二つに折られ、サードゴロ。本西セカンドゴロ。三者凡退。香田健在。

7回表

攻撃前にバファローズの応援歌『Dream&Power』が流れ、レフトスタンドから歌声が聞こえる。個人的には『炎えろ近鉄バファローズ』のほうが好みだが、どうも球団としてはああいう“泥臭い”イメージを払拭したいらしい。にしては推奨応援はタオル踊りなのか。イマイチ意図が掴めない。

この回からマリーンズのピッチャー吉田に代わる。足の影響か単に予定通りか。先頭の内匠1塁方向へセーフティーバント。いい位置に転がり、見事成功。大村送って1死2塁、となるはずが、吉田ダッシュして捕球。振り返りざまセカンドへ送球してアウト。ベースカバーの小坂すかさず1塁転送、アウト。見事ダブルプレー。一気にランナーがいなくなった。強いバントだったのがまずかった。続く武藤サードファールフライでチェンジ。結局3人で終わってしまう。

7回裏

攻撃前に『Take me out to the ballgame』のメロディが流れ、マリーンズファンが唱和する。終わると風船飛ばし。勝ってはいないが、負けているわけでもないのでそこそこ盛り上がる。

先頭の石井センターフライ。ボーリックサードフライ。3番4番がばたばた倒れてあっという間にツーアウトとなり気がそがれたが、佐藤の打球で目が覚めた。粘ったあとに捉えた打球はセンター大村の追走を振り切りフェンスにぶち当たった。佐藤は一瞬の弛みもなく駆け続けサードを陥れた。センターオーバーのスリーベース。2死3塁。

堀、ここできっちりライト前ヒット。勝ち越し。3−4。なおも2死1塁。この場面で酒井あっさりセカンドゴロ。2塁封殺でチェンジ‥‥と思ったがタイミング的に微妙で、山本監督が抗議に登場。確かにセーフにも見えたが‥。

しかしここでマリーンズナインが守備につくべく出てきてしまい、味方に気勢をそがれた形となって、監督は寂しげにベンチへと下がっていった。何というか、こう、間が悪い。

8回表

マリーンズは守備固めに入った。センターの本西がサードに回り、佐藤の所に諸積が入りセンター。堀の所に早川が入りレフト。サードの酒井がセカンドに回る。そしてマウンドには新守護神・小林雅英が上がる。そして客席からわき上がる、期待に満ちた「コバヤシ」コール。

一点を追うバファローズは、先頭の中村が初球ボールのあとの2球目をフルスイング。当たったときのことを思えば背筋が寒くなる、そんな空振り。などと言ってる先から当たった。レフトへ大飛球が高々とあがる。天に摩さんばかりの打球は、あがりすぎにもスタンド一直線にも見える。代わったばかりの早川が追走。一瞬覚悟したものの、失速してレフトフライ。あがりすぎたのが不運。続くローズピッチャーゴロ、吉岡キャッチャーファールフライで結局三者凡退。3・4・5番沈黙‥‥。

8回裏

吉鶴セカンドゴロ。小坂右中間を深々と破ってツーベース。続くサブローレフト前ヒットで貴重な追加点。3−5。本西ショートゴロ。しかしこれは進塁打にはならず、ランナー入れ替わって2死1塁で石井登場。今日最後の「熱くなれ石井」コール。石井の打球は二遊間へ。武藤ランニングキャッチからスローイング。セカンドライナー。チェンジ。

9回表

本西がひっこんで、代わりにセカンドとして山本保司が2番に入った。そして石井に代わってファーストに福浦。サードからセカンドに回っていた酒井が再度サードに回る。正直言って良くわからない。守備固めはもうしたはずだ。サード本西セカンド酒井の布陣よりサード酒井セカンド山本保という布陣のほうがいいということか? それとも少しでも多くの選手を出場させようと言うのだろうか‥‥。

交代のさなか、時間が来たので、たけがわさんは西武ドームへ向かって旅だって行かれた。球場をハシゴしてのダブルヘッダー観戦‥‥。私も一度はやってみたいと思いつつ、色々あって(雨とか雨とか雨とか)まだ実現には至っていない。

磯部センターフライ。川口フォアボールで1死1塁。水口セカンドゴロは2塁封殺のみで併殺ならず。2死1塁。内匠にフォアボールで2死1,2塁となって、セカンドランナー水口に代走前田。代走出す気があるのなら最初っから出しておけばいいという気もしたのだが。

続く大村の打球は三塁線。酒井掴んでそのままサードベースにタッチ。ゲームセット。3−5でマリーンズの勝利。勝利投手小林雅、11勝6敗5S。敗戦投手香田、4勝2敗。

なんというか、「5位と6位のゲーム」という評が的確か。見終わってからプレナ幕張内のサイゼリアでダラダラしゃべって解散。この日は試合内容よりも近鉄の応援ばかりが印象に残ってしまった。最近マリーンズの応援が評価されだしたが、バファローズも侮れない。そう思った。

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