富山市民球場
(アルペンスタジアム)

(ゲスト寄稿/千葉県・ふさ千明さん)

MAP

1999年8月23日夜。翌日のオリックス−日ハム戦を見るべく、私は東京発の夜行快速「ムーンライトながら」号に乗り込んだ。翌朝、岐阜から高山線に乗り換え、二度乗り継いで富山入りした。

ほぼ雨雲と連れ立っての旅だったが、富山に到着して少しすると、豪雨。慌てて球場に電話。「すいません、試合、大丈夫ですか?」「ええ」あっさりした回答。心配をよそに、1時間もすると雨があがった。

試合開催日は富山駅前から臨時バスが運行されるが、そうでない時は東富山駅から歩くしか交通手段がない。所要時間は富山駅からバスで20分、東富山駅から徒歩で20〜30分。

この日も当然臨時バスが出る。駅前のバスターミナルにはポスターの張られた案内板が出ていた。片道540円。往復で買っておく。

他に交通手段がないため、駐車場設備は広大である。そしてこの広大な駐車場に、私がついた16時過ぎには、すでに車がみっちりと詰まりはじめている。

田圃の真ん中の球場。さぞ夜になったら美しかろうとは思うが、試合を見に来たのでそれについてはあきらめることにする。

富山市民球場の開設は1992年7月1日。両翼99.1m、中堅120m。全面人工芝で、収容人員は30000人。スコアボードは磁気反転式で、「HR」、「AV.」の表示もある。地方球場の中ではわりとメジャーな存在で、プロ野球のオールスターゲームも行われたことがある。

球場の周囲にはそちこちに出店が出ている。グッズ屋もあり、子供たちが群がっていた。やはり一番人気はイチローのようだが、中にはご当地選手永田能隆(北陸銀行出身)山本栄二(富山商出身)のものを探す人もいた。さすがになかったようだが…(しかも山本は前年限りで引退し、スコアラーに転進している)。

出店の中には当然食べ物屋もある。スナック類、つまみ、ジュース類、ビール。弁当は地元の老舗「ますのすし」の源が販売していた。見てみると駅売りと同じ品揃え。看板のますのすしは見あたらなかったが。

さて入場ということで券を買い求める。地方球場で外野¥1500というのは高い気もする。しかも当日券だと¥2000に値上がりする。内野も¥4000からであり、値が張る。

券を買って外野席へ行ってみると、開始1時間半前にしてすでに6割ぐらいの入り。目の前にはオリックスのデザインを模したユニフォームを着た子供たちがいる。彼らは地元チームの「奥田ブルーウェーブ」の選手であり、彼らのチームメイトが始球式を行った。

眺めてみると、案の定内野は余り埋まっていない。時間につれて次第に増えたが、それでも空きが目立った。とくに日ハム側は入りが悪い。

久々に座ったが、外野の芝生席というのはいいものだ。何というか、全体にゆったりしている。ただ、当日昼過ぎまで降っていた雨のせいで、敷物がないとつらい状態ではあった。まぁこれは仕方ないにしても、外野席から電光掲示板が見えない。もしくは見にくい。おかげで試合中何度か見える位置まで走る羽目になった。

ただ、その欠点もここが綺麗な球場であるという印象を損なわない。人工芝と天然芝の違いはあるが、グリーンスタジアム神戸を連想した。そういえばオリックスのホームゲームということでDJ木村が出張してきていた。

試合は先発が予告されていた川越の登板回避に幕を開け、イチローの連続試合出場を止めた死球、プリアムの暴言による退場劇などで盛り上がり、藤井の2発とニールのソロで決まった。

目次へ

inserted by FC2 system