浦和市営球場

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1998年6月2日、筆者はふと思い立って浦和へ二軍戦を観にいくことにした。浦和市営球場はヤクルト及びロッテ二軍の準フランチャイズとなっており、年に20試合ほど試合が行なわれるのである。

北浦和駅東口からグランド通りをホトホトと歩くこと約15分、浦和市立高校の向かいに浦和市営球場が見えてきた。

そして球場入口では、切符売りがヒマそうに座っていた。入場料800円を払い、中に入る。

なお、国際興業バスが北浦和駅〜浦和駅間に走っていて、これに乗る場合には「元町一丁目」が最寄のバス停となる。

開設は1954年8月。両翼93m、中堅120m、収容人員9160人、照明設備は無し。スコアボードは磁気反転式。

観客席は、ネッ裏の上部に背もたれ付の椅子が41席あり、そこは特別席となっている(ただし誰でも座れる)。その他の席は長椅子で、外野寄りの方は階段席である。なお外野は芝生席だが未開放。ちなみに、場内の案内板には売店の表示があるが、実際には売店は無く、飲み物の自販機が2台あるのみである。

この日のカードはヤクルト−日本ハム。ヤクルトは斎藤、日本ハムは厚沢の先発で午後1時に試合開始となった。ヤクルトは2回裏に津川のタイムリーで1点を先制した。すると3回表、日本ハムはすかさず井出が2点二塁打で逆転。さらに大貝も連続二塁打で1点を追加した。

さて、このへんでちょっとスタンドに目を向けてみよう。平日の昼間の二軍戦、おまけに曇天。一体どんな物好きが観にきているのだろうか。

ためしに観客の人数を数えてみた。86人だった。その内訳は、人生をすでにリタイアした老人、ネクタイをした人(サボリ営業マン?)、一人で来ている女子高生、選手たちを乗せてきた観光バスの運転手とバスガイドなどなど。

そしてその中でネット裏やや三塁側に、さかんにヤジをとばす日本ハムファンらしきおっさんがいた。このおっさんは非常にファームに詳しく、審判にも何やら声をかけていた。

筆者は数年前に横浜スタジアムの横浜−日本ハムの二軍戦を観に行ったことがあるのだが、どうやらその時に居たおっさんと同一人物のようである。

その時、そのおっさんは横浜−日本ハムの3連戦(平日のデーゲーム)にすべて来ていたらしく、さかんにヤジをとばすので、横浜の選手から「仕事はどうした?!」と逆にヤジられ、それに応えて「余計な心配はするな。今年で定年になったんだ」と言い返し、選手たちに大受けしていたのを思い出した。

話を試合にもどそう。3回裏ヤクルトは厚沢の暴投で1点を返す。そして8回裏には無死一、二塁のチャンスを迎え、代打に秦が登場した。

この時、例のおっさんが「来年はうまくやれよ」などと脱税がらみのヤジをとばした。結局秦はいい当りの二塁ゴロ併殺打に倒れ、続く「売り出し中」の岩村も凡退してこの回ヤクルトは大きなチャンスを逃した。

しかし見せ場は9回裏に待っていた。この回先頭の城がショートのエラーで出塁すると、続く3番キャッチャーの小野が右中間に見事な逆転サヨナラ2ランを打ち込んだのだ。

歓喜の輪の中で小野がホームベースを踏んだとき時刻は3時30分。試合時間はちょうど2時間半であった。ファームはやはり一軍のゲームよりスピーディーだ。

ちなみに小野は1997年の巨人戦でプロ入り初打席ホームランを打った選手である。一軍でのプレイをもっと見てみたいものだ(すくなくともカツノリよりは使えそうな気がするのだが…)。

1999年9月29日、約1年ぶりに浦和市営球場へ出掛ける。前回来た時には、特に気に留めなかったが、北浦和の町は良く見ると「サッカー一色」であることに気がついた。

まず駅を出ると、「ようこそサッカータウン北浦和へ」という看板があり、商店街のアーケードには「レッズを応援する街・北浦和」というフラッグが掲げられていた。また、駅を出て左側にある「北浦和インフォメーションセンター」に設置されている時計はサッカーボールの形をしていて、中にある観光案内所では浦和レッズのキャラクターグッズが売られていた。

さて時刻はちょうど正午になったので、昼食をとるために駅前の「娘々(にゃんにゃん)」という中華料理屋に入る。この店はわりと有名な店で、開店と同時にカウンター12席のみの店内はあっと言う間に満席になり、外には待つ客も出た。

そして、挽肉とニラのあんのかかった「スタミナラーメン」を食べる。これはこの店の名物で、350円という価格も良心的だ。なお、この店にはレッズの選手が良く来るそうである。

店を出て、「北浦和レッズストリート」と名付けられた道を歩く。歩道にはレッズのマスコットのブロンズ像と選手の手形が飾られていた。ホントにどこもかしこも「レッズ・レッズ・レッズ」だ。

浦和橋交差点で左に折れ、グランド通りへ。途中のコンビニ「SPAR」で飲み物を買って球場に到着。ちなみにレッズのフランチャイズ駒場競技場は、この先さらに600mほどの所にある。

今日のカードはロッテ−横浜戦。入場料はヤクルト主催の時と同様800円だが、筆者はマリーンズファンクラブに入っているので、無料で入ることが出来た。

そしてネット裏に腰をおろすと、なにやら見たことのある人が…。それはダラ球会のMIHOさんであった。電車が遅れ大学の授業に間にあわなくなったので、登校するのを諦めて急遽野球を観に来たのだそうだ。しかし観客が80人程度しかいないスタンドで知り合いに会うとは(笑)。

さて、試合はロッテ・寺本、横浜・池上の先発で午後1時プレイボール。1回裏ロッテは、いきなり1番早川がレフト場外へ初回先頭打者アーチをかかげた。するとその後、池上のピッチングがボロボロになる。そして押し出しや暴投などがあり、初回だけで一挙8点を失った。

さらには4回裏にもまたもや暴投で1点を献上し9−0となる。ここでようやく斉藤肇にマウンドを譲った。こんなピッチングをしていたら、きっとクビになるだろうと思っていたら、案の定これが現役最後の登板となった。

一方、ロッテの寺本もピリっとしない。5回表に小池にホームランを浴びると、鶴岡の二塁打、金川の場外へのツーランホームラン、さらには捕手椎木のエラーもあり、この回一挙5点を取られた。

しかし、7回裏にはロッテ澤井がライト場外の木をも越える特大のホームランが出た。さらに8回裏には珍しく於保にもホームラン(今季1号)が飛び出して、結局11−5とロッテが突き放した。

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